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村松小農園のコナコーヒーのお話

FARM TO A SIP" story ..

村松小農園のコナコーヒーができるまでを

まとめてみました。ここが皆さんに一番ご覧になっていただきたいページかもしれません。

コーヒーの赤い実がどうやったらあの至福の一口になるのか?...それを僕の経験からまとめてみました。

村松小農園の赤い実がカップになるまでのストーリーを是非お楽しみください。

コーヒーパッケージ.jpeg
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1月〜4月までコーヒーの花の季節が続きます。

​たくさんの白い花が咲き、香りを楽しませてくれます。

毎年農園では6月頃からコーヒーの実が赤くなり始め、果実はこの写真のように熟し、赤くなった実を一つずつ順に摘み取っていきます。

 

そのため 収穫期は毎年7月頃から始まり、その年の12月頃までゆ〜っくりと続きます。果実は赤く熟したそのタイミングで摘みとってあげないと美味しいコーヒー豆にはなってくれません。

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チェリーと呼ばれる熟したコーヒーの果肉は口に含むと甘酸っぱく、種の周りはとても甘くなるフルーツです。

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収穫期の格好.jpeg

収穫はいつもこんな格好でしております。

枝がムチのようにしなり目や顔に当たると怪我をするので普段は目の保護用にサングラスをしています。  満杯で12キロくらい入るバスケットをお腹前あたりでストラップで吊るし、

ただひたすら赤い実をこの中に 落としていきます。

バケツが一杯になると麻袋に移し、そしてまたバケツが一杯になると麻袋に移し... これを繰り返しながら一日中朝から夕方までやると.. 一人約3袋(約120Kg)〜調子がいいと5袋(約210Kg)ほどの収穫量になります。

摘み取ったチェリーはその日のうちに果肉を剥いてしまいます。この機械がPULPER(パルパー) と呼ばれ、果肉(パルプ)と種子(コーヒー豆)を分けてくれます。

 

大きなコーヒー農園になると大きな電動の機械を使っていますが、ぼくの農園は昨年まで手回しのとても小さい機械を使っていました。しかし今年からそれに小さなモーターを付けることができました。(^^)

パルパー.jpeg

PULPER から出てきた種(豆)の周りには "MUCILAGE" ミュシレージと呼ばれる糖分が付着しています。

これを水に浸し発酵の力を使い取り除き、その後洗います。

この作業を行うと WASHED(洗い落とす)、ヌルヌルのミュシレージのついたまま乾燥させるとNATURAL(ナチュラル) としてコーヒーのお店に並びます。  

 

ハワイコナは飲み口の特徴であるスッキリした酸味を大事にするため、

どの農園もほとんどこの精製方法 (PULPED/WASHED)を取っています。

ミュシレージのついた豆.jpeg

うちで使っている発酵槽です。最近では機械を使ったり、 薬品を使ったりと科学や化学の力に頼り、このミュシレージを短期間で取り除く方法があるようで、 ハワイも含め世界各国でいろいろ新しい方法が行われているようです。

 

しかし 味噌や日本酒の製造方法と同様、

生きた菌の力をお借りして出来るこのコーヒーの精製方法はハワイ島で暮らす先輩達から受け継がれた知恵で、僕の農園はこれからもこの製法でやっていきたいと思ってます。 

発酵槽.jpeg
発酵槽から上がった豆.jpeg

発酵層から上がってきた豆は良く洗い流し、余分な水分を取り除くために水切り棚で一日置きます。 

良く水分を取り除くために、雨の日など湿度の高い時は直接大型扇風機をあてる日もあります。

豆の乾燥.jpeg

水気が取れたらいよいよ本格的な乾燥です。

僕の農園はもちろん天日干しをしています。

 

これだけ太陽がある島なのでプロパンの乾燥機などには頼らず、干し棚を建てそこに豆を広げのんびりと乾燥を進めます。   

余談ですが日本語で ”干し棚” と呼んでいるこのコーヒー豆を干す為の棚はハワイの人も "HOSHI-DANA" と 呼んでいます。日本語がそのままハワイの文化に溶け込んだ単語の一つです。

干し棚.jpeg

その他にこの僕が写真で左手に握っているフック状の棒は "KAGI" と言います。これは収穫時に、長いコーヒーの枝を引っ掛けて曲げる為の道具ですが、引っ掛ける棒状の物 "鍵棒" から由来します。

 

突然の雨などに気をつけながら天日干しをし、夜露をさけるために夜間はカバーをし毎日豆を動かし均等に水分が抜けるようにすると乾燥が

 

どんどん進んでいきます。そして10日〜2週間たち、豆の水分が約12%になったところで乾燥を止めます。 もちろんきちんと機械で測りますが豆を噛んでみても小石のように固くなる頃合いです。

カギ.jpeg
パーチメント.jpeg

やっとパーチメントの出来上がりです。麻袋に戻し室内で大切に保管します。 パーチメントは生豆よりも良好なコンディションで保存が可能でこの後、お客様からご注文が入る度にパーチメントを生豆(グリーン)にします。

 

この作業はちょうどお米の脱穀と同じ作業でHULLER ハウラーという機械を使い、 パーチメントの外皮を剥き取ってしまうのですが、僕の農園にはこの機械がまだありません。  今現在は近所のコーヒー精製工場に持っていきこの作業をしてもらいます。  

 

パーチメントを剥がしたばかりの豆はため息が出るほど奇麗な緑色をしており、 これが生豆を"GREEN" と呼ぶ由来です。

ハンドピック.jpeg

見た目は綺麗な豆ですが、しかしまだ一つ一つのコーヒー豆の含水量がバラバラなので数日間このまま放置します。 その間にさちよと二人で徹底的に欠点豆を取り除き豆のチェックとサイズ分けを行います。

EX Fancy(エクストラ.ファンシー), Peaberry(ピーベリー), そして Fancy(ファンシー)と分けていきます。  

 

毎年欠陥豆の率を減らし、Ex Fancy の割合を少しずつ増やしていくのが今後の目標です。

 数日すると全ての豆の含水量がほぼ均一になり、 そして緑色が少し落ち着き焙煎可能な豆になります。

 

これは欠点豆の写真です。 →

欠点豆.jpeg
エクストラファンシー.jpeg

農園のコーヒー豆がとうとう ”GREEN” になりました。ここまでご覧になっていただきありがとうございます。

 

とうとう出来上がった生豆を農園のレトロな

焙煎機で焙煎してみましょう。

構造は ”熱風式” のロースターです。

 

半熱風や直火式が人気のある日本では あまりないタイプの焙煎機ですが熱い風で豆を焼くため、 チャフ(コーヒー豆を焼いた時に出る甘皮の残り。焼きムラの原因の一つ)や煙が窯内に籠らず、 かなりスッキリ綺麗に僕の豆を焼いてくれます。

ロースター.jpeg

日本のコーヒー豆屋さんの店頭でよく見かける焙煎機のような見た目はファンシーではありませんが、 今のところ大きな故障などは無く、これからもずっとずっとお世話になりたい相棒です。

ロースター2.jpeg
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焼き上がった豆はそのまますぐに冷却し、その後もう一度欠点豆を省くピッキングをし、やっとパッケージングです。  

コーヒー豆を入れる袋は農園の”顔”となるので作成に少し時間をかけました。

 

まずデザインですが、このハワイ島で縁で出会うことができたイラストレーターの

赤木 えりか氏 にお願いしました。

 

また日本人がやっているコーヒー農園なので

デザインに漢字をどうしても入れたいという

希望を、 近所でいつもお世話になっている芸術家のキミコさんが叶えてくれ、約二年間かけ出来上がったものは 僕の農園にふさわしい最高のデザインです。

 

ラベルは貼るシールタイプではなく、ハンコタイプにする事で シンプルな農園のイメージを表現しています。

これからもさらなる美味しいコーヒー生産を目指し精進してまいります。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

村松小農園

むらまつゆきお

コーヒーパッケージ2.jpeg
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